IPPONグランプリ 総評 そして大喜利を考える
こんにちは!
第20回IPPONグランプリが開催され見事バナナマンの設楽が3度目の優勝を飾りました。乃木坂の子の応援に普通に照れてましたね笑 可愛かったです。
別に毎回IPPONグランプリを見ているわけではないのであまり偉そうなことは言えないのですが、今回のIPPONグランプリを見た感想を
まず全体の印象としてはとても面白かったです。IPPONグランプリは毎回本当に芸人さんたちの力を実感させられます
なんですが、このお題どうなの?とか感じる場面もありまして、、
なので、お題と回答の関係だったり、面白さ、回答の種類などを見て、そこからどのように面白い回答が生まれるかを分析してみたいと思います。
ではお題を並べてみます。数字はそれぞれのお題ごとのIPPON獲得数/回答数です
Aブロック
第1問
ウサギは寂しいと死んでしまいますが、浜田(ダウンタウン)はどうなると死ぬ?
9/18
第2問
今のイケてる若いママはヘソの緒をどうやって保管している?
8/18
第3問
写真で一言
8/15
第4問
「でしょーね!!!」と言わせて下さい
13/18
Bブロック
第1問
不思議ちゃんアイドルの盛りすぎたデビューのきっかけは?
11/17
第2問
写真で一言
11/15
第3問
宇宙船でこれをやったら完全におっさん。一体 何?
11/14
第4問
口の中をさっぱりさせる意外な方法を教えて下さい
6/14
サドンデス
この伝説の植物の花言葉を教えて下さい
1/1
決勝戦
第1問
フランス語っぽく言えば怒られない悪口を言って下さい
1/1
第2問
動画でアフレコ
1/1
第3問
ダブルピースしながら言う事か! 何を言った?
1/5
第4問
動画でアフレコ
1/1
でした。
まず気になるのはAブロックとBブロックで回答数が違うこと。
Aブロックが69問であるのに対し、Bブロックが61問。
これはどういうわけなのでしょうか。
一応時間制なので、純粋に時間の都合なのか。
しかしBブロックではサドンデスも含めると設楽が10ポイント獲得しています。
そして回答者の机に埋め込まれているポイント数を示すゲージは10本までしかありません。なのでそういう意味で色々調節されているのかもしれませんね。過去に11ポイント以上獲得している人がいたらごめんなさい。そこまでの確認はしません笑
では実際にお題と回答について見ていく前に
大前提としてIPPONを獲得する基準として、判断しているのはプロの芸人であり、かつ会場のウケの大きさも考慮されているように感じるので、IPPON獲得した回答は基本的に面白い回答と言っていいと思います。僕自身も面白いと思った回答はIPPONとってましたし、逆も然り。テレビで見ていたみなさんもそんなに自分の価値観との差を感じなかったのではないでしょうか。
例えば、先日のM-1グランプリなどに代表される漫才はけっこう人によって面白い、面白くないの評価が分かれたりしますが、IPPONグランプリのような大喜利、こと今回の第20回IPPONグランプリに関してはあまり人によっての評価が分かれにくいと思います。多少の忖度を感じる場面はありましたが、、笑
では本題。サドンデスと決勝戦を除いたお題のIPPON獲得率を%で表し、高い順に並べ替えます。ブロックで回答者が違うので純粋な比較にはなりませんが参考に。全員トップクラスですし、振り分けもまあまあ均等だったと思いますので
1位 B-3 宇宙 79%
2位 B-2 写真 73%
3位 A-4 でしょーね 72%
4位 B-1 アイドル 65%
5位 A-3 写真 53%
6位 A-1 浜田 50%
7位 A-2 へその緒 44%
8位 B-4 口の中 43%
となりました。けっこう差がありますね。
ではAブロックから順番に見ていきます。第1問は浜田でした。
IPPON獲得率は6位の50% やや低めですね。低めになった理由としては、Aブロックの一番最初ということもあったと思います。
このお題に対する回答ですが、ほとんど浜田が関係ないものになりました笑
僕的に特に面白かった、裏返すと戻れなくて死ぬ。とか、字をいっぱい見ると死ぬとか。全然浜田じゃなくていいという笑 どちらも浜田で想像すると面白いですけど、他の人でも面白いですので。
浜田関係だと、戦闘車の打ち上げ。とか、オリンピックで「結果発表ー!」とか。
単純な面白さだと先の2つの方が面白く感じてしまいますね。なのでお題としてちょっと苦しかったかなーと思います。
第2問。へその緒です。
IPPON獲得率は7位の44% 低いですね。
これは明確に理由があると思います。このお題では全18回答のうち、実に11回答が絵を描いた回答でした。それを踏まえてお題を見ると納得というか。絵を描くしかないというようなお題だったと思うんです。時間をかけてカラフルな絵を描けたりすれば話は別なんでしょうが、あの時間でマジック1本だと厳しいです。全体的にもあまり爆発的に面白い回答が出ませんでした。
第3問。写真です。
写真に関してはまあいつも通りですね。
写真は落としたら差をつけられるというイメージがあるように、IPPONを獲得しやすい=笑える回答が出やすいように思います。現に大吾は全問とってます。大吾の最初のマジシャンの回答「これ、、、じゃない?」とかは回答としてはそんなにすごくないかもしれませんが、写真があるのでイメージしやすく笑えます。若林の駐車券は素晴らしかったですね。猫が「特番でお会いしましょう」とかも写真があるのでそれとのギャップだけで笑えます。IPPONならずでしたが。写真が笑いにつながりやすいのはイメージしやすいからでしょう。
第4問。「でしょーね」
これはIPPON率72% 高いですね。
理由としては回答の幅広さだと思います。これは何でもありでした。僕ら素人でも頑張れば面白いものが思いつきそうなお題。「じゃあやって」とか言わないように。それをプロがやるのでまあ面白いですよね。例えば大吾の「ナマズとのハーフ」も、絵を描かざるを得なかった第2問に比べ、絵を写真の問題のように使えている。とっさの写真でIPPONとれるんですから、自分で描いた絵で面白いのはまあ当然といえば当然。
また絵を使わなくても全然いける。バカリズムの「虎舞竜のロード」が個人的には一番面白かったですがIPPONならず。若林の「ダレノガレ渡米断念」などIPPONにならない回答もほぼ全部面白かったです。一生できますしね。へその緒の時間返せ。
次にBブロック。第1問はアイドルでした。
IPPON率65%と高めです。あるあるネタを誇張させるといった感じでそんなに回答の幅自体は広くないかなと思います。が、さすがにそういうアイドルと関わってる数が多いであろうみなさん。色々回答が出ました。ただ最後にコリン星被りしたのはやはりといった感じでした。
第2問は写真。
やはりIPPON率73% 高い
ホリケンのトナカイとか同じ写真の設楽の12月26日など割とシンプルな回答が笑いに結びつきやすいように感じました。それも写真の特徴かもしれません。その点、川島の弓矢の回答は秀逸でした。会場のお客さんは意味を考える前に声が変わったことに笑ってたように感じましたが。
第3問。宇宙。
これがIPPON率ナンバーワンの79%
これもあるあるの応用という感じ。山内だけおっさんじゃなくておじいさんで回答してたように感じました笑 ただ個人的にはそんなに爆発しなかったかなと。「うんこで波動砲」が一番面白かったですが、全体的にあるあるによりすぎたように思います。お題としては面白いものかもしれませんが、これもやはり幅がそんなに多くなく。単純に笑えるかどうかでいうとIPPONをとるレベルには行くけど爆発はしない。これは第1問にも言えるかなと感じました。
第4問。口の中。
これが最低の43%
はい、いいお題じゃなかったと思います。難しいとかじゃなくて普通に面白くなりにくいものだったかなと。「口の中がさっぱり」という状態があまり面白くないので、どれだけ面白い回答を出そうがそのゴールが口の中さっぱりじゃああんまり笑えないですよね笑 あと口に限定されてしまっているので幅も広くない。「食べる」「吸う」「舐める」ぐらいになっちゃう。 川島の「お坊さんを舐める」が一番でしたかね。設楽のモーツァルトと川島のJ-WAVEが似た感じになったのも仕方なしかなと思います。またIPPON獲得した6つのうち4つが絵での回答。やはりこれも絵を書かざるを得ない感じかなと思いました。
サドンデス。伝説の植物。
サドンデスという中で、あってはならない超イージーお題が出てしまいました笑
これこそ何を言っても笑っちゃうやつです。設楽が一撃で決めました。ジャブうっただけなのに倒せたと思ったら、右手にメリケンサック付いてたみたいな。花言葉というからにはこの植物を誰かに渡してるシーンを想像するわけですが、その時点でかなり面白い。そこに一言添えて渡せると考えればそれはもう面白いに決まってる。そこらへんの人の適当な回答でも笑う自信があります。
決勝戦。第1問はフランス語。
これは設楽あっぱれです。フランス語を第2外国語で勉強しているのでわかるのですが、普通にフランス語っぽい。まあそんなの考えなくても面白いですね。デブでしょの「でしょ」が面白い笑
第2問。動画。
志村でした。「あれしかないよね」っていうフリもきいていて、ただただ面白かった。動画は写真以上に笑いにつながりやすいかもしれません。
第3問。ダブルピース。
ダブルピースと逆な発言となると深刻なこととか重大なことになりますが。幅はめちゃくちゃ広いです。これがダブルピースしている男の人の写真のお題だったらイメージしやすかったのですが、そうではなかった。なので口調とかトーンが対照的なものになりました。そこが写真じゃないメリットでもあるのですが。そして設楽のアプローチが結果的には実を結んだということです。大吾の亀の回答が一番好きでしたが。ここは文章の大喜利だからこその面白さであり難しさですね。奥深い。長くできるタイプのお題でした。
第4問。動画
これも設楽あっぱれ。やっぱり動画は笑いにつながりやすい。動画自体かなり面白いので。タイミングがずれかけても笑いになるとなればそりゃーIPPONでしょう
総評
お題の幅という観点で見ると、広ければ広いほどもちろん長く続けられるお題で、「でしょーね」のお題なんかはまさにそれ。ただ広さと面白さは基本的には比例するかと思いきやサドンデスのダブルピースみたいに難しさもある。
浜田の問題は浜田関係なくなっちゃたのでイマイチ。へその緒は絵に頼りがちになる。アイドル、宇宙は狭いので難しいけどそのだけ芸人さんたちの力が出やすいような気がします。口の中は普通に残念なお題という印象。
写真や動画、伝説の植物は難易度が低め。順にすると、動画<伝説の植物<写真ですかね。そこから考えるに、映像にしてイメージしやすい度合いが難易度に直結するのではないかと。そしてそのイメージが面白ければ笑いに繋がる。あのレベルの人たちはもちろん面白い映像を作り出せますので、動画とか伝説の植物みたいなお題ではそうそう落とさないわけです。
そして映像としてイメージしやすいかどうかはお笑いすべての分野に通ずると思います。だから、大喜利より漫才、漫才よりコントの方が映像としてはどんどんイメージしやすくなっている。例えばなんでもありのドキュメンタルなんかでは、コントをやることが多い。それもこれに由来するのでしょう。(ドキュメンタル知らなかったらごめんなさい。記事書いてますのでよければ)
ただ、じゃあコントが一番笑える芸かというとそうとは限りません。小説より漫画の方が絵がある分、映像をイメージしやすいが、小説には読み手が想像して映像を作ることができる良さがあります。なので読み手のイメージ力に面白さが大きく左右されるんですね。
これはお笑いでも同じで、「でしょーね」のお題でもおそらく回答の後に心の中で「でしょーね」って相槌を打ったはず。そしてこの「でしょーね」をどういう言い方で言うかとかを視聴者が決められる。それが良さなんだと思います。ドキュメンタルで面白い人ほどゲラな傾向があるのは、勝手に面白い映像を組み立ててしまって笑っているんだと思います。「え、そこで笑う?」みたいなのはその人が面白すぎたからなのでしょう。
つまり、お笑いは受け取り手のイメージ力にかかっている。
それを言い出したら終わりなんですけどね笑
こんなフニャッとした結論になってしまってごめんなさい。でも大事な要素に違いないので。少しでも共感していただけると嬉しいです。
あざした